トップ > コラム > コラム No.171
 
トップ > コラム > コラム No.171

#171 / 2002.07.23

テンカビト

あなたは優勝候補の一角と謳われるレーサーです。
今日は生憎の雨空ながらも、あなたのホームコースでの予選会です。
ロードコンディションは最悪です。
まもなく予選開始です。

いざ、走り始めると思うようにタイムが出ません。
それでも順位を上げたい。
ここで、予選落ちはできません。

ところが集中力が途切れた刹那、雨でスピンしてしまいました。

結局、スピンの立てなおしもままならず、予選落ちしてしまいました。
優勝候補の予選落ちに、メディアが集まってきました。

「今回は予選落ちになってしまいましたが、何か一言」
さあ、あなたはなんて答えますか。

  1. 「あぁ、マシンの調子が悪くてね」
  2. 「雨が強くてね、油断したら滑ったよ」
  3. 「今日はたまたま不調だったんだ」

あなたなら、どんな答えを言うのでしょう。

私なら、何も答えません。

マシンや雨、自分の体調管理の不充分さに言い訳を求めてはいけません。
原因を、自分以外のところに安易に転嫁するなということです。

同じことを、ミニバンの車内で子供を放し飼いにしている親達に言いたいのです。

「安易に転嫁するな」

そんな親達でも、一丁前に反論はします。
でも、無理に正当化させようとしているだけです。

> 「子供のやることだからしかたないじゃない!」
しないようにしつけることが、親本来の姿。
それがなぜできないのでしょうか。

> 「隣のオジサンに起こられるよと、優しく諭しているから大丈夫!」
叱りもできない上に、なぜ他人を引き出すのでしょうか。

> 「学校や地域がしっかりしてないから、大変なのよ!」
他者になすりつけて、親は放任する気ですか。

たまたま、車内の広いミニバンを例に出してしまいましたが、バスや電車の中でもまったく同じです。

親は子供の鏡です。
親が平気で責任転嫁するのに、どうして子供がまっとうに育つのでしょう。
子供を叱れるようにするばかりでなく、親自身も転嫁しないようにしていくしかないのです。

だから、もう一度言います。

自分の子供達がどれだけ可愛くても、車内で遊ばせておくことはやめなさい。
車内の延長で、公共の場でも天下を取ったかのように振る舞う子供達を、とっとと仕付けてください。
あなたが叱らないと、その子は一生立ち直れなくなります。

最後の言葉は、嘘ではありません。
人間、まったく別の人格に生まれ変わるためには、それまで生きていた年数分かかるのです。

3歳で悪い癖に気づかせれば、6歳までに改善できます。
5歳で気づけば、10歳までに。
でも、成人になるまで親がいちいち面倒見ていたのでは、まっとうな人間になる頃は40のオッサンです。

40で気づくということは、人生の半分を棒に振ってしまうということです。

人間が変わるためには、本人が気づくしかありません。
だったら、少しでも早く気づかせるべきです。

電車の車内や、スーパーの店内、学校。
公共の場はすべて、無法地帯ではないということを、しっかりしつけてください。
子供のしつけは、親の義務です。

当然、環境や自分の手落ちを盾にして居直るな、ということでもあります。

幼児時代から転嫁癖をつけさせないように、キッチリしつけよう。

追記(2002.07.23記)

私は、いつか親になってもMT車に乗ります。
子供の望みを喜んでホイホイ聞くようなオヤジにはなれません。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

サイト内リンク