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#114 / 2001.12.06

Historical Inheritance

16階のオフィスから街が見えます。
さながら、ミニチュアシティです。

部屋のひとつひとつに、いろいろな人が住んでいます。
ビルの中には、働いている人たちがいます。

窓の向こうに、文化が見えます。
それら一つ一つに、歴史があります。

そう、全てのものに歴史があります。

人に歴史があるように、クルマにも歴史があります。
豊田佐吉、本田宗一郎、ヘンリー=フォード。
こういった人達が、自動車産業界を支えてきました。

彼らの思想は脈々と受け継がれ、クルマは我々とは切り離せない存在となりました。
低公害エンジン、衝突安全、ハイブリッド。
こういった技術は、今までの歴史から産み出された貴重な産物です。

己を語るとき、歴史はけして切り離せません。
過去の経験全てが、現在に凝縮されているのです。
思想、哲学、言語、行動、趣味。
どんなに時代が変わろうとも、祖先が教え遺してきたものは身体のどこかで覚えているものです。
そして後世に、永く受け継がれるのです。

精一杯、否定しても変えられないもの。それが歴史です。
そして未来は、その大きな潮流の先にあります。

中国では皇帝が変わると一気に思想が変わり、民族粛清と称する大虐殺も平気で起こると聞きます。
これでは歴史が育ちません。

過去を捨てるか、過去からはぐくむか。
昨今の自動車業界再編をみていれば、おのずと答えは見えてくるでしょう。

軽のダイハツや、トラックの日野を伸ばすトヨタ。
4WDの富士重工、小型車のスズキを大事にするゼネラルモータース(GM)。
数ある車種ブランドをのこしつつも窮地の日産を救った、ルノー。

いずれも、現在成功している企業です。
これらはみな、過去をはぐくむ姿勢を貫いています。

クルマひとつに歴史が見えます。

己の礎となる先祖を偲ぼう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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