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#112 / 2001.12.01

ベンクラ

先日捕まった、東南アジアのクルマ密輸業者のお話です。

密輸船に2台しか載せられないところを、無理やり8台分載せていました。
なんと、ボディやシャーシを切って現地で組み立てていました。

現地では、前がベンツで後ろがクラウンといったメチャクチャなクルマも走っています。
S13型シルビア顔の180SX(ワンエイティ)をシルエイティというならば、 ベンウン、もといベンクラといったところでしょうか。

クルマを切ると、ボディ剛性が落ちる。
剛性が低いと、衝撃吸収力が落ちるだけでなく、最悪の場合ではクルマがねじれてしまいます。
だから各社は、クルマの剛性向上に力を注いでいます。
前述のシルエイティは、180SXの顔をすげ替えているだけです。

東南アジアの人達は、剛性なんかどうだっていいのかもしれません。
クルマとして形を成していれば、結果オーライではさみしいです。

とにかくたくさん詰め込めばいい。
これは発展途上国の考えです。

では経済大国ニッポンはどうか。
いまや7人乗りミニバン天国です。東南アジアとの違いが見えてきません。

例えば2001年10月度の普通車と小型車の登録台数。

自家用車登録台数2001年度10月度
順位車名メーカー登録台数
1カローラトヨタ18,934
2フィットホンダ16,203
3ヴィッツトヨタ10,174
4エスティマトヨタ9,929
5ステップワゴンホンダ7,318
6クラウントヨタ7,079
7イプサムトヨタ6,401
8ストリームホンダ5,984
9ファンカーゴトヨタ5,718
10マークIIトヨタ5,213

ベスト10にトヨタとホンダしかいないのも驚きですが、ミニバン勢が上位に食い込んでいます。
以降20位まで見ても、ミニバン勢ではホンダ・オデッセイ3,959台、日産・セレナ3,614台、 さらにマツダ・MPV3,319台と続きます。
数字で見ても、明らかにミニバンの時代です。
そんなにみんなで乗る機会が多いのか、はなはだ疑問です。

GDPを510兆8391億円(2000年度)も抱えていながら、精神的には東南アジアと同等ですか。
あれもこれもと欲張りになるのは、前近代的な物欲主義から抜け出せていないだけです。

東南アジアも含む海外を見る前に、まず我が国を見直さなければなりません。
米中欧を見るより、まずは祖国ではありませんか。

人の振り見て、なんとやら。

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